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素直にお礼をいい、尋ねる。馬場は成宮の目をみつめながら、はっきりと口にした。
「美代にあげたんです」
「そうですか……」
「何か?」
ここで成宮は馬場にカマをかけてみることにした。
もし、清水の言う通りこの世に証拠が存在するのであれば指輪しかない。その可能性にかけてみたのだった。
「いや、合川さん、綺麗なダイヤの指輪してたのに、あんな小さな指輪もするんだなあと」
「……指輪、見たんですか?」
その答えは、そうだった。確信した成宮は余裕のある表情でうなずき相手にあわせる。
「はい。それが何か」
「いや、なんでもないです」
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