34. 2回目の推理

2/5

199人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
「そして、馬場公太があの部屋に出入りするのも、何度も見かけていたそうだ。どれも写真で顔を確かめてもらったから間違いない」 「ってことはやっぱり二股だね」 不快そうな顔をして写真の馬場を成宮がにらむ。鷲尾も同意しながら、写真を胸ポケットにしまった。 「俺が言っていたこと覚えているか? 犯人は二人いるんじゃないかって話」 「ああ、覚えてる。ちょっと整理してみよっか」 鷲尾がいったことに成宮も首をたてにふる。そばにあった机のうえに適当な裏紙を広げ、シャーペンを握った鷲尾が時系列にそって書きはじめた。 「馬場が犯人だとすると、の話をするぞ。まず馬場が蘇芳を何らかの理由で殺した。それを盗聴器で野崎が聞いていた」 騒がしい部屋の中で、男2人は顔をつきあわせなから紙を真剣に見つめている。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加