34. 2回目の推理

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「そういえば、馬場……」 『……指輪、見たんですか?』 「って言ってた。もう処分したはずなのに、って言葉が前につくとしたら……」 「捨てたとしたら、タイミング的には蘇芳を殺した後だろう。……だが物証ともなりえるものを捨てるか?」 証拠隠滅されてしまえば、立証するのはとても難しくなる。ただでさえ自白の信用性は薄い現代において、重要事件なのに自白のみで馬場を犯人とするのには壁が高い。 「……もしかして、まだ指輪を持ってるんじゃない?」 「その可能性はあるな」 もし指輪を自分が持っているのになぜ知っているのか――、 写真に残っていることを知らない馬場とカマをかけた成宮の質問の仕方がうまくかみ合わさった結果引きずり出された言葉は、成宮たちをもう一歩というところまで(いざな)っていた。
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