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店の裏口につながる通りをゆっくり歩き、たまたま隙間を作っていたドアから耳をそばだてる。
「もしちゃんとやれたら本社に引き抜く」
知らない男性2人がそこにいて、何かを話しているようだった。よく聞こえない清水は思わず身を乗り出す。
と同時に、ドアが勢い余って開き、男性2人はそちらに視線を向けた。廊下越しに3人の視線がぶつかり合う。
「……誰だ」
「え、えっとぉ……」
男性に問われた清水は間延びする返事をしながら後ずさりをする。しかし、男性の隣にいた別の男性が思い出した。
「あなた、警察の……」
「警察?」
「えっ?! け、警察じゃないですよ私!!」
あわてて強く否定するが、すでに遅かったようで、警察と聞いた男性は清水のほうへと近寄ってきた。
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