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「ほ、本当に警察じゃないんですって」
「いいから来い、入れ」
「えええっ」
強い力に抗えず、仕方なく店舗らしきところに清水は入る。男性2人が話していたバックヤードらしい場所に彼女は連れ込まれた。
男性が部屋に入ってきた清水を見て確信したように言う。
「ほら、あの……成宮さんと一緒だった」
「クロさんは確かに知り合いだけど私はただの女子大生で!!」
「……筒外。鍵は持ってるな」
「はい」
名前を呼ばれた男性は頷いて鍵がたくさんついた束を見せた。男性はそれを見ると、近くにあったガムテープを手に取る。
「おさえろ」
「えっ?!」
「え、馬場さん、それはちょっと……」
そこで清水は初めて知った。目の前の男が、鷲尾たちがおいかけている容疑者の馬場であることに。
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