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「クロは俺と違ってキャリア組だ。刑事をしている」
そういわれた清水は、成宮をみる。本人は人懐っこそうで、刑事というものものしい職業についているとは思えない。
「刑事……に見えないけど……」
「よく言われるー!」
良くも悪くもオーラがなく、ぱっと見は分からない。
「はるるんと友達なの、俺だけだからまりりんも加わってくれたら嬉しいな!」
「友達いないの?」
「……友人はクロ一人で十分だ」
「はるるん……!」
鷲尾は冷たいながらも少し照れたように、それに対して成宮は嬉しそうに目を輝かせているが清水にはわかっていた。
――友達はクロさんだけなのね……。
「そういえば、清水は学生か?」
「はい。秋桜大学の二年」
鷲尾に対して清水の答えた学校名に成宮の目が一瞬鋭くなった。
「……秋桜大学?」
「はい」
「まりりんも一緒に来て。三人で話したい」
ニコニコ笑顔の成宮ではなく、刑事という職業だと確信させるような真剣な眼差しになった彼にいわれ、清水は驚きながらも頷いた。
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