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「でしょ。その女の子……蘇芳友梨っていうんだけど」
「さすがにあだ名では呼ばないんだ?」
「事件関係者にあだ名つけてたら疑われるからね!」
清水の指摘に笑いながら成宮は弁明する。
「で、蘇芳さんって秋桜大学の四年なんだよね。経済学部。何か知らない?」
「えー、あんまり……」
学年が違っても学部が一緒であれば名前くらいは知っていそうなものだが、文学部である清水が知るわけもなく、心当たりはなかった。
しかし、あることを思い出した。友人の宮地恵子。彼女の彼氏は経済学部だ。
――そういえば、美女がいるって噂聞いたことがあったな。
「思いだした」
「なになに?!」
「けーちゃん……あ、恵子ちゃんっていう私の友達なんですけど。彼氏が経済学部で……美女がいるから浮気されないか不安って言ってたなって」
そう、付き合い始めの頃、先輩のなかで美女がいるという話になったことがあった。その話の発端はサークルだった。
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