5. 事件へのプロローグ

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「……はるるんでいい」 「じゃあはるるんね!」 降参したかのように鷲尾が携帯を清水に手渡す。器用に二つの機械を操作したかと思えば、はい、とまた鷲尾に差し出した。 「登録したよ」 「ああ、ありがとう」 ――電話帳を見たけど、本当にクロさんしか登録されてなかった……。 清水が加わったので、鷲尾の電話帳の登録件数はめでたく2件となった。 「はるるんとお揃いで携帯買ったんだ。ね」 「同じがいいってクロがごねたから」 「一緒に買うなら買うっていったの、はるるんだよー!?」 「……もういいだろ携帯の話は」 確かに二人の携帯は色違いだ。友人はいなくても親友はいるということか、と清水は一人で納得した。
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