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そして、飲み終えたようにカップをソーサーにおくと、鷲尾に向かって拝むように両手をあわせた。
「だから、はるるんのところから人をかりたい!」
成宮に拝まれた鷲尾は眉をひそめながらやめろ、と言いつつも
「分かった。課長に話しておく」
と承諾した。成宮は安心したように表情を和ませる。
「本当に自殺ならそれでいいんだ。でもそうじゃなかったら蘇芳さんは報われない。それに、殺人者を野放しにするなんて絶対いやだ」
顔はやわらかいが、言っていることは鋼の精神のようにまっすぐかたいものだった。
――そっか。二人が親友なのは、相性がいいだけじゃなくて警察官としての意識が同じだからなのかも。
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