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「へぇー! はるるんは?」
「俺は、単純に役に立つことをしたかった。今では警察官としてこの町を守りたいと思っている」
成宮がキャリアへの道に進んだのは警視総監という大きな目標に向かうため。鷲尾は町を守るためにキャリアではない道を選んだ。
道は違えど、二人は10年来の親友で、相棒で、同僚だった。これからもそれは変わらない。
「そっかぁ。私はまだなーんにも考えてないんだ。進路全然わかんないなぁ」
「そのうちやりたいことが見つかるとおもうぞ」
聞けば大学生のときには、いやそれより前から進路を決めていたという二人だ。清水はとりあえず大学に通っているだけで、将来の夢は何もない。
「だといいんだけど……。はるるんはこの後どうするの?」
「とりあえず、お前がそれを飲み終わるのを待つ」
「……ありがと」
鷲尾のカップは空だが、清水のグラスにはまだアイスティーが残っている。小さな声でお礼をいうと、彼女はストローをくわえた。
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