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鷲尾は断りをいれ、成宮の了承を得ると3人に背を向けるようにして電話に出る。
やがて、話を終えた彼はいつもと変わらないまっすぐな瞳でクロをみた。
「クロ。野崎の部屋から盗聴器と蘇芳の携帯が見つかった」
それを聞いた清水と宮地は複雑な気持ちで互いの顔を見合わせた。
――やっぱりストーカーしてたんだね……。
先程の電話は鷲尾の部下からのものだった。
もともと、怪しい人物として容疑者に浮上していた野崎の家を任意の上で調べた結果出てきたという。
「携帯も? そりゃまたすごいのが出てきたね」
「これから任意で来てもらうそうだ。いくか?」
「うん」
取り調べをするのは成宮でなくてもいいのだが、一応成宮は責任者であり何より鷲尾は彼の話術を知っていた。成宮もそれを分かっていて頷く。
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