11. 合コンじゃないんだってば

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 急に、清水の頭の中に妄想が広がる。鷲尾がいつものスーツを着て、いつもの仏頂面で隣に座っていて、 ――私が手を伸ばしたら掴んでくれて……。 「じゃない!!」 妄想をやめようと強めの語調で声をはりながら頬を自身の手で軽く1回叩く。4人分のグラスをテーブルの端に寄せていた宮地は驚いたように肩を揺らした。 「わっ、なになに?」 「けーちゃんのせいで変なこと考えちゃったでしょ!」 「変なことってなによ……顔真っ赤だし」 「も、もういいから!合コンとか言い出すし……。ほら、私達もかえろ!」 「はいはい」 清水の照れ隠しのツンとした態度に宮地は面白そうに微笑みながら頷いて席を立つ。
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