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「なんのために?」
「関係ないだろ」
「それはこっちが決めることだから」
「……いいません」
「言えないんじゃなくて?」
成宮が挑発するかのようにそう尋ねる。野崎は、一瞬やや困ったような表情をしながらも次には真顔になり
「いいません」
と言い切った。
「……君が、蘇芳さんを殺したの?」
「俺はやってません」
「そう。君は、蘇芳さんが誰かに殺されたのを知ってるのか」
「えっ」
カマをかけられたことに気付いた野崎は動揺したように声をもらした。成宮は、自身の勘―自殺ではないこと―を確信した。
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