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「盗聴器も、ぜーーんぶテスト録音だったぁ……」
「携帯は?」
「ウイルス? だっけ? かなんかにやられてて、起動してもバグって話になんねーのぉ!」
ひっく、としゃっくりをしながら駄々をこねる子供のように喚き散らす。
「もし野崎が犯人じゃないとしたら、ひとつ問題が出てくる」
「えー?」
「テスト録音をしたからには実際につかったこともあるはずだ。なら警察をいれた理由は?」
「うーんと、断ると不利な状況になると分かっていたから?」
「そうだ。奴は本物の盗聴器を隠しているか、自分で処分している」
鷲尾の推理にまだ実の入った枝豆をテーブルのうえに落としながら成宮は頷く。神妙な表情だけを見れば酔っぱらいには見えない。
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