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「盗聴器が見つかれば早いんだが……。そうだ、蘇芳の彼氏とやらは見つかったのか?」
「忘れてた。調べなきゃ」
「その彼氏が何か知っているかもしれないな」
つい今日分かった新事実、蘇芳の彼氏の存在。それが鍵となっていることに違いはなかった。
「もー、合川さんの店行ったら上から圧力かけられるし、彼氏とかどこの誰かもわからないし、嫌になるよお、はるるーん」
隣に座る鷲尾に猫のようにすりよる。鷲尾は真顔のまま、追い払うように手を動かしながら成宮の肩を叩いた。
「すり寄るな。ほら、焼き鳥まだ残ってるぞ」
「食べさせて!」
成宮の皿に注文していた焼き鳥の串を数本おく。しかし彼はお酒で気分が良くなったのか、上機嫌な様子でおちゃめにねだりながら口をあけた。
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