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「吉川線とかなに?」
「首をしめられたときに抵抗してできる傷のことだ。こう、爪でのどをひっかいた傷みたいな」
「もういいもういいもういいーー!!」
鷲尾の言葉に妄想力たくましい清水はその場面を想像してしまい、ますます強く両耳をふさぐジェスチャーをした。タイミングがいいのか悪いのか、エレベーターは3階に到着しドアが開く。
安心したように先に清水が出て、2人も続いた。
「こっち。角部屋なんだ」
そうやって3人で部屋に向かおうとして清水が気付く。
「私は行ったらまずくない?」
情報提供者ではあるが一応部外者だ。もう見張りに警察がいないとはいえ、関係者でもないのに入るのはためらわれた。
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