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「……清水、どうした」
「の、のざ、のざき、さんがっ」
「……誰もいないぞ?」
清水が泣きながら名前をだしたのは野崎冬馬のこと。鷲尾が前を見るが、玄関前には町並みと空が広がっていただけだった。
「1階に、道路にいて、目、目があって、睨まれて、怖くて」
それ以上は同じことの繰り返しで、鷲尾はもういいと言う代わりに頭を2回優しくたたくようになでた。
――あれ、私何やってんの!?!!!?
清水はそれで自分が何をしているのかということに気付き、恐怖心は消え飛びしおらしくなった。恥ずかしさと照れた気持ちの表れでもあった。
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