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「で、こっちはっと……あまり手がつけられてないのかな、だいぶ本が積み重なってる。んー? 何か引っかかって……、んしょ、ってきゃあ!」
積まれた本を降ろしていると奥に棚があるのが見えて清水が左手をそのなかに突っ込んだ。
そこで革のような感触にそれを引っ張ってみると、手前に置いていた本のタワーが崩れてしまった。
「すごい音がし……、清水!」
「うー……本がぁ……」
「崩れてきたのか……、今どかすから」
音を聞きつけた鷲尾が清水を襲った本たちをどかす。彼女もゆっくり立ち上がりながら転がってしまった本を回収した。
その中にあったものを手にした鷲尾がページをめくっていく。
「……これは…………顧客リスト……」
「顧客、って……あ、黒い手帳」
鷲尾が手にしたのは探していた黒い手帳だった。
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