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20. 見つからない容疑者
マンションを出た成宮が周囲を探すが、すでに野崎の姿はなかった。しらみつぶしにあたりを探してみるものの、やはり彼はおらず成宮は立ち尽くしてしまう。
そんなときに、携帯が音を立てた。
「はい、成宮!」
軽めに息を整えてから電話に出る。相手は鷲尾だった。
「クロ、手帳が見つかったぞ」
「本当?!」
「ああ。それから、糸もなくなっていた」
「すぐに本部に報告する」
それはつまり、あのストーリーで使われたトリックが蘇芳の部屋で行われたということを示していた。これで自殺ではないことを正面切って言い切れる。
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