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2. 仕事熱心な男と花の女子大生
爽やかな青空が広がる下、早めに授業を終えた女子大生の清水茉莉花とその友人、宮地恵子は楽しそうに話をしていた。
が、宮地の携帯電話が音を伴い震える。どうやら宮地の彼氏からの連絡らしかった。
彼女は携帯を軽く確認して、ごめん!と両手をあわせた。
「そろそろ待ち合わせ場所にいかないとだからいくね」
「うん、分かった。いいよいいよ、行きなよ」
「ごめんね。じゃあね、茉莉花!」
「うん、バイバイ、けーちゃん!」
明るく別れの挨拶をし、宮地を見送った清水は友人の姿が見えなくなったところで上げていた腕を下げ息をついた。
「はーあ、けーちゃんは彼氏がいるのになあ……」
方や彼氏のいる二十歳、方や彼氏のいない二十歳。
同級生なのにその差はハッキリしていて、いわゆるお年頃である清水は気にしていた。
つまり、彼氏がほしい。
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