寂しい

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寂しい

 翌日になって、朦朧とするような状態からは回復した。声も出るようになった。  だが、症状の悪さはものすごくはっきりと自覚できた。  動くと頭痛がして目が回る。喉が痛くて飲み込めない。声は出るが掠れて酷いものだ。 「とりあえず、発熱は落ち着いたかな。寒気はあるかい?」 「いえ、今は」  体温計を睨んだエリオットに問われて、ランバートは答える。首を振ると頭痛がするのが最悪だ。 「上がりきったかな。夜は分からないけれど、今はそれでいい。喉の腫れはまだおさまっていないね。咳は?」 「今はありません」  そう答える合間に咳が出て、一気に説得力がなくなった。 「それにしても酷い声だね」  私服姿のオスカルが苦笑している。彼はもう仕事がないらしく、今はエリオットについてきたようだった。 「ラウルが謝っておったわ。看病してもらって、うつしたのではとのぉ」 「そんな事はありません」  ウェインといい、ラウルといい少し気にしすぎだ。  シウスも私服姿でここにいる。ラウルが実家に帰省したので、手持ち無沙汰なのだろう。 「貴方は少し、他の人に気を使いすぎるのかもしれませんね」  エリオットが苦笑しながらそんな事を言った。     
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