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※※※※※※※※※※※※ ……どういうことだ? その場ですぐに質せなかったことが悔やまれる。 しかし、あんなにこやかに、さらりと口にしたものだから、つい冗談だと思ってしまったのだ。 つまり、「有能な君のことだから、こりゃ半年もしない内に部長級の働きをすることになっちゃうな~~~ワハハハ」的な。 けど、根元は確かに冗談を口にするような気安さを持ってはいるが、こんな意味の通らないことを気軽に口にする人間ではない。 狐につままれたような俺を根元は引きつれ、会社に戻っていった。 自分のデスクに戻り、言葉の意味を考え続ける。 部長、仕事、階級。 目の前の書類を無視して、そんなことに頭を絞っていると、驚くべきことに色々な「奇妙さ」が姿を現してきた。 例えば。 この会社はよくある文句に過ぎない言い回しではない、本当に風通しの良い会社であり、上司に向かっても思ったことはハッキリと口にすることが出来る。 上下関係に縛られ若手が動けずに不正をし続けた会社もごまんとあることだから、これは本当に良いことである。 ただ、である。 若いのだ。 上司が軒並み。 全員ではないが、役職もちがほぼ30代。 逆に役職のない、自分と同じような下っ端の人間はどうみても50・60を越している。 最初はパートの人や再就職組みを雇っているのかと思っていたが、その口ぶりや仕事への慣れからすると、どうみても正社員の皆さんである。 そんな長年の勤務に耐えてきた人が、未だに俺とほとんど変わらない、主事や主任という位に甘んじている。     
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