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役職の名前など会社によっていくらでも変わるものだから、ひょっとして主事や主任のほうが係長や課長より偉いのかとも一瞬思ったが、まさか部長よりえらいなんてことはあるまい。
現部長は俺とそんなに歳の変わらない男だった。
そしてあの優しい、頼りになるメンターである根元はなんと主事であった。
これは、妙だ。
一人や二人なら出世が遅れているか、元々出世に興味がないのだろうということで納得することが出来る。
だが、軒並み、である。
40代、50代の人間が軒並み平社員で、役職持ちがせいぜい30代まで。
これはどう考えてもおかしい。
いったいどういうことなのか。
そうしている間にも書類は山と溜まっていく。
「……分からん」
いくら考えても答えは出そうにない。
そして階級・役職のようなデリケートな話題を他の社員に聞くことも出来ない。
俺は諦めて、忙しさの中に埋没することにした。
どのみち新入社員は仕事を覚える必要があるのである。
三年目までは会社にとって赤字社員なんて言葉もあるくらいだ。
必死で働いて、自分を高めていこうではないか。
そうして自分を納得させると、俺は日々の仕事に再び戻っていった。
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