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「うん、怪我なんてしてないんだけど。運転手さんが気にして、病院連れてってくれるみたい」 『まあ、いい人でよかったじゃない、ちゃんと診てもらいな、事故の怪我って後から来る時もあるから。連絡先とかもしっかり聞いておきなさいよ!』 「うん、判った。で、花なんだけどさ……」 放置してきてしまった場所を知らせると、すぐに回収して暁さんに向かうから気にするなと言ってくれた。 車はバス通りに出ると、北へ向かう、なんとなくみなとみらい地区にある総合病院へ向かうんだなと感じた。その予想通り、車はみなとみらいへ入っていく。 でも、病院は通り過ぎた。 「ん?」 近くのタワーリングマンションの地下駐車場へ入っていく。 病院の駐車場がいっぱいなのかな?とか呑気に思った。 そこから乗れるエレベーターに乗り込む、それも地上に出るためなのかと思った、でも彼は最上階のボタンを押した。 「はい?」 彼は回数ボタンを前に壁に寄りかかっている。 いや、なんか、やばいぞ。逃げなくては、と本能が訴える。 軽快な音を立ててエレベーターは止まった。 「どうぞ」 開きボタンを押したまま、彼が促す。 「いえ、私は帰ります、一階に下ろしてください」 「あーもー、面倒くせー!」 怒鳴るように言って乱暴に腕を掴まれた。 「え、や……!」     
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