2327人が本棚に入れています
本棚に追加
本当に面倒そうに言って、私を羽織ごと横抱きにした、もっとも手錠で繋がる左足は上がらない、中途半端に抱き上げれてはむしろ恥ずかしい……。
脱衣室に着くと東吾は着物を脱ぎ捨てて足袋も脱ぐ、意地悪だ、左足は座って脱いだのに、繋がれた右足はわざと上げた、私は慌てて壁にすがりつく。
浴室までは短い距離だから、手を繋いで二人三脚の要領で足並み揃えて入った。
入ると東吾が泡立てたスポンジで洗ってくれる、恥ずかしいけど嬉しいから身を任せた。
泡をシャワーで流すと、東吾に抱き締められる、首筋の匂いを嗅がれた。
「──健次郎に何された?」
シャワーの音にかき消えそうなほど小さな声で聞かれた。
聞かれてその行為を思い出す、悪寒が、走った。
「……キス、されて……」
言うとすぐに唇を舐められた、それから深いキスをされる。
十分味わってから離れて、また聞かれた。
「……他には?」
「いっぱい、全身、触られた……手でも……舌でも……」
東吾は私の首筋に噛み付くようにキスをしながら、全身を撫で始めた、撫でるだけじゃない、キスもされて……跪いて太腿やつま先まで、まるで清めているかのような仕草に胸がきゅんとしてくる。
よかった……やっぱり東吾は許してくれた……。
シャワーは止めて東吾が立ち上がる、また優しいキスをされた。
「他には?」
「ん……他……?」
最初のコメントを投稿しよう!