5.

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本当に面倒そうに言って、私を羽織ごと横抱きにした、もっとも手錠で繋がる左足は上がらない、中途半端に抱き上げれてはむしろ恥ずかしい……。 脱衣室に着くと東吾は着物を脱ぎ捨てて足袋も脱ぐ、意地悪だ、左足は座って脱いだのに、繋がれた右足はわざと上げた、私は慌てて壁にすがりつく。 浴室までは短い距離だから、手を繋いで二人三脚の要領で足並み揃えて入った。 入ると東吾が泡立てたスポンジで洗ってくれる、恥ずかしいけど嬉しいから身を任せた。 泡をシャワーで流すと、東吾に抱き締められる、首筋の匂いを嗅がれた。 「──健次郎に何された?」 シャワーの音にかき消えそうなほど小さな声で聞かれた。 聞かれてその行為を思い出す、悪寒が、走った。 「……キス、されて……」 言うとすぐに唇を舐められた、それから深いキスをされる。 十分味わってから離れて、また聞かれた。 「……他には?」 「いっぱい、全身、触られた……手でも……舌でも……」 東吾は私の首筋に噛み付くようにキスをしながら、全身を撫で始めた、撫でるだけじゃない、キスもされて……跪いて太腿やつま先まで、まるで清めているかのような仕草に胸がきゅんとしてくる。 よかった……やっぱり東吾は許してくれた……。 シャワーは止めて東吾が立ち上がる、また優しいキスをされた。 「他には?」 「ん……他……?」     
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