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何気なく視線を下に向けた、私の内腿を白濁した液が泡立ちながら落ちていく……東吾を受け入れた喜びで体が震えた。
(……そう言えば……健次郎くん……)
ふと思う、健次郎くん、なんで最後までしなかったんだろう……いくらでも時間はあったのに──焦らすようにそれをしなかったから、東吾が早く戻ってくれて助かったけど、自分の欲求を満たすだけなら、私が気持ちよかろうが嫌がろうが、関係なく挿れてしまえばいいだけなのに……。
(もしかして、本当に私を傷つけるつもりは、なかった……?)
そんな事をふと思ったけれど。
東吾にも言えず。
すぐに東吾がくれる快楽に霧散してしまった。
*
浴室から出て。
私はバスタオルを体に巻いた状態で、洗面所のシンクの脇に腰掛けていた。
その前で腰にバスタオルを巻いた東吾が鼻歌交じりに私の髪をドライヤーで乾かしてくれている。
「あの……自分でやるけど……」
「んー? どうせここから動けないし。ここにいても暇だし。いいよ」
そうなんだけどさ。それ言ったら私も暇なんだよね、座ってるだけだよ。大体いつもはある程度乾いたらもういいやってやめちゃうけど、東吾は丁寧に乾かしてくれる……乾かせられながら、手持ち無沙汰で溜息を吐いてしまう。
「あ……ねえ、なんで早く帰ってきたの? お稽古終わるの夕方って言ってたじゃん」
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