5.

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「今度、亜弥サイズのも買わないとね」 言いながら和箪笥の一つを開ける。 「今日はとりあえず俺のお下がりで」 白い肌襦袢を出して私にかけてくれる。柔らかくてあったかい……モスリンと言う素材だと後で聞いた。 「子供の頃に着てたやつだけど」 「子供? 東吾、何歳から茶道やってるの?」 「本格的に始めたのは、祖父と同居が始まってからだよ。それまではソファーに座っておままごと感覚ではやってたけど」 「おままごとかあ、やっぱり慣れ親しんではいたんだねえ」 「そうかもね」 東吾は私の前身頃を整えながら笑う……んだけど、んんん? 「──着せる気ないでしょ」 「バレた?」 にこっと笑ったって誤魔化されないぞ、左右の前身頃の位置を見るふりして、私の胸を触っていた! 「少し小さいけど、多分俺が今着てるやつだと大きすぎるよな、ちょっと我慢な」 そう言って長襦袢を腰紐で留めてくれる。 「女性の着付けは判らないな」 言いながら別の引き出しを開けて、今度は着物を探してくれる。 「そんなに違う?」 「全然違うよ、まず男は衣紋なんか抜かないし、おはしょりもないからね。亜弥はきちんと教わらないとね」 「そっか……茶道やるなら着れて当たり前?」     
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