5.

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私達の足元に跪いて、ペンチを開く──私は着物を掴んで押さえた、だって、もし捲れでもしたら……私、下着履いてない! 「そういう訳だから、もう健次郎は亜弥に近づけさせないでよ。亜弥もさ、もう俺と住もう」 手錠に意識が行っていた私は、聞き逃していた。 「……え!?」 「どの道、稽古もつけたいしさ。24時間、ずっと一緒にいよう。そうしたら健次郎も近づかないだろうし」 「え、でも……! そうだけど……!」 まだ、心の準備が……! その間に手錠は切られた、東吾は笑顔でお礼を言ってる。 「ね、お母さんもいい……お母さん?」 東吾の声に私も万里子さんを見た、青ざめたまま床を見つめていた。 「お母さん?」 「え、ああ……ごめんなさい、そうね、この部屋を少し片付けましょうね、二人で暮らせるようにいろいろ準備しないと……」 準備か……なんだか本当に結婚するんだと、しみじみ感じてしまう。 そして消防署でまた手錠を切ってもらい──さすがに今回は二人揃ってなので、かなり呆られてしまった。 本当に、変な趣味があると思われてしまったのだろうか……。
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