6.

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万里子さんがお店に来てれたのは、それから三日後の事だった。 「まあ、万里子さん!」 母が応対に出た、なんだか盛り上がって話をしていて、百合を一輪購入していた。 おつりの受け取りながら、 「あの、亜弥ちゃんと少しお話をさせてもらっていい?」 遠慮がちに言われた、母は快諾する。 ちょっと、と言われて店を離れて、人気のない路地に入った。 「亜弥ちゃん、ごめんなさいね」 すぐに判った、健次郎くんの事だ。 「あの、もし亜弥ちゃんが嫌だったら……東吾とのこと、なかったことにしてもいい……って、みんなで話したんだけれど……」 「……みんな?」 万里子さんは小さく頷く。 「東吾と、主人と……おじいちゃんもね」 東吾が、話したんだと判った。 それは大きな決断だろう、既に仲人さんも決まって、結納の日取りも話し合ってる最中だ。それを白紙にとなったら、葉山家の恥になるだろうに……。 「私も女だからね。二人きりで手錠されて、しかも東吾があんなに怒るなんて、そりゃただ事じゃないって判るわよ……ごめんね、許されない事をしたわ、女の子なら最大の辱めよね。本当にごめんなさい、謝って済む事ではないけれど、それでも亜弥ちゃんが許してくれたって判る、東吾といてくれたんだもの。でも、健次郎と無関係では、いられないのよ」     
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