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「そんな事いいから、俺達の分も支払いは店持ちで!」
「てやんでぃ! おめえたちのは5割増しだ!」
「ぼったくりだ!」
ふふ、このお店はこんなに賑やかだったかなあ、なんて微笑ましく見ていたら、東吾が抱き付いてきた。
「亜ー弥ー」
ん? なんだ、この甘ったるい声は?
「え、東吾、酔っぱらってる……!?」
「んー、酔った酔った」
自覚はあるらしい!
「え、やだ、東吾お酒弱いんだ……」
「ああ、お店のご厚意で、濃い目でお出ししてますから」
美乃利が言った。
「濃い目で?」
チューハイの事か? 試しに呑んでみた。
「わ! 殆ど原液じゃん!」
いや、原液ってことは無いな、しゅわしゅわ炭酸は効いてるから……でも明らかに濃い!!!
「はいー、5対5でお出ししましたー」
おばさま店員がにこやかに言う、怖い……!
「何でですか!?」
「イケメン家元にサービスです」
「嬉しくないです!」
酔い潰れたら、どう連れて帰ればいいんだ!?
「近くにホテルが」
「行かない!」
美乃利の案を素早く否定しておく。
「亜弥ー」
人の頬を啄むんで来る東吾、可愛いけど、いやいや!
「もう、しっかりー」
「んー、してるしてる」
言いながらキスは耳に移動する、いやいや、駄目駄目!
「これはこれは」
おばさま店員が嬉しそうに。
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