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「いいものが見られそうねえ」
美乃利も言う。
まさか、これをしたいが為にこの店にぃ!?
「東吾、帰ろう!」
今ならまだ歩けそうだから、今のうちに!
「んー、亜弥ー、愛してるー」
抱き締めないでー!
「今はいいから!」
「おお、生「愛してる」だあ」
案の定、お客に囃し立てられた。
「よぉ、家元さん、このお嬢ちゃん何処がそんなに好きなんだい?」
お客が余計な水を差し向ける。
「亜弥は、可愛くて強くて、強くて可愛いんですー」
東吾はニコニコ笑って答えていた。もう、言ってることが酔っ払い!
「亜ー弥ー」
遂にキスが唇に……!
寸でで東吾の口を覆って防いだ!でも、その手を舐められて、あわてて手を離してしまった。
「俺は亜弥が大好きなの」
「うん、知ってる!」
は? 知ってるなんて答えちゃったけど、何を言い出したんだ!?
「子供の頃からねえ、ずーっと亜弥が好きなの」
「判ったよ東吾、それはまた今度二人きりの時に聞くから!」
立ち上がろうとしたら、おばさま店員に肩を押さえ付けられた。
「……あの!」
「お水、持ってくるから、お待ちくださーい」
「……はあ」
それはそれで有り難いですが……。
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