6.

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慣れた手つきで。 東吾はそれを着せてくれる、手際が良すぎて見惚れてしまった、この間はしなかったおはしょりまで綺麗にできてる。 綺麗に伊達締めまでされて、帯を出されてさすがに止める。 「私が着るから! 東吾は見ててよ!」 「いいから、いいから」 よくない!と思うけど、東吾は帯を半分に折ってさっさと私の体に巻き付けた。 するすると巻いて行く、帯枕を胸の下で締める時はやたら胸を触られて誤魔化されたけど、もう駄目だよ、私の練習になってない! 太鼓になった帯にテの部分を収めて、帯締めをご丁寧に藤結びにまでしてくれて、帯揚げをきちんと締めて、 「はい、できあがり」 嬉しそうに言った。 「できあがりって……上手だし」 「な、上出来」 悔しいな……東吾は私が着付師の方に教わっているのを見ていただけだ、二、三の質問はしていたけど、それだけで覚えてしまったんだ。 「判った?」 「判んないよ、早すぎて……」 全く、なんで一枚の布が、こうも綺麗にお太鼓になるのやら。三面鏡に背中を映しながら思う。 「んじゃ、もう一回やろう」 言うなり私の帯を解き始める。 「あ、今度は自分でやるから、東吾は見ててよ?」 「ん、判った、判った」     
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