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 大地主 「いやあマスター、遂に僕も痔になっちゃいましたよ。1日中座りっぱなしのコールセンターでタチの悪いクレーマーばかり相手にしてたからストレスで暴飲暴食しちゃって。そしたら遂に痛くなってきちゃって、肛門科に行ったら切痔と大き目のイボ痔が出来てたんですよ。お医者さんにこんなデカイのは初めてだって言われるくらい大きかったみたいです。イボは取れたけど切れてるのはこれから時間かかるみたいで最悪ですよ」 「それは大変だったね。じゃあ洋介君は痔を持ってるってことで痔主と呼ぼうかな。それも大きな痔主だから大痔主だ。いらっしゃいませー」 「大痔主だなんて辞めてくださいよー。恥ずかしい。相変わらずマスターのネーミングセンスは悪いんだから」  喫茶店『花歌鳥』のマスターと常連客の洋介が談笑しているとドアの上部に取り付けられているベルが揺れだして店内に来客を知らせる合図が鳴り響いた。  反射的にドアの方を見る二人。来店したのは若い女性だった。  珍しい、いや、ありえないの一言に尽きる。こんな寂れた人気の無い喫茶店に若い女性、しかも可愛い女性が来るなんて…!洋介とマスターは心中小躍りを始めたが平静を装い、4人掛けテーブル席に着いた彼女へ冷たい水を渡した。  
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