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「あーあ、私も結婚したいです。その前に彼氏作らなきゃなんですけど」
「でも、吉沢7さんはキレイだからすぐ相手できるんじゃないですか?」
「キレイじゃないですよ。大学生の時には彼氏がいたんですけど卒業したあとすぐに別れて、それからは仕事が忙しくて彼氏は作ってません」
吉沢は少し苦笑いしながら答えた。
若い時、それこそ学生の時は周囲の女子大生より少し可愛いそのルックスに冴えないグループ一族の男性は心を奪われ『すごく美人ではないけど俺でも手が届きそうな可愛さ。上中下でランクをつけるなら中の中の上』という不憫な考えに囚われてしまい、アプローチを受けてもそれが恋愛感情の上での好意とは気づかず、次第に男性の想いが爆発し告白されるも仲の良い異性の友達としか見ることが出来ず結局ごめんなさい。と断ってしまうそんな女性であろう。と洋介は妄想した
「ところで、洋介さん。私がお店に入る前にマスターと何を話してたんですか?」
「コイツ、この前オオジヌシになったんだよ」
マスターがカウンターの中から会話に割り込んできた。
「ちょっとマスター」
「えっ!? 大地主なんですか!?」
春香の真剣な眼差しに対して洋介は照れながら答えた。そして、結婚適齢期の真っ只中にいる遥かの眼がギラリと輝いた。
「本当ですか? 私とあまり年齢が変わらないのにすごいですね!」
「いやいや、何もすごくないですよ」
「大地主ってもっとおじいちゃんとかがなるものだと思ってました。
「大きさは分からないけど、赤ちゃんとかでもなるみたいですよ」
「先祖代々から受け継いだり?」
「どうやって受け継ぐんです。」
「大地主ということは、結構大きいのをお持ちなんですか?」
「そこそこ大きかったんですよ。だから色々大変で」
「東京ドーム何個分とか?」
「どんだけデカいと思ってるんですか!まぁいいじゃないですか。大きさは流石に恥ずかしいですよ」
「すみません。なんだか私、大地主の人と話すことないから興奮しちゃって。」
一旦落ち着いてコーヒーを口に含む2人。
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