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02 歌うもの
「カテキンを飲もう♪カテキンを作ろう♪」
撫子がご機嫌に歌う。
「なんの歌を歌っているんだ?」
二代目が尋ねる。
「カテキンの歌」
撫子が答える。
「カテキン……?」
首を傾げる二代目。
すると二色がいう。
「知らないの?魔王のくせに?」
二色の顔がどこか嬉しそうだ。
「知らない」
すると撫子が答える。
「カテキンというのは、ポリフェノールの仲間のひとつ。
お茶などの含まれる渋い成分なんだ。
紫外線からお肌を護るのもカテキンなんだよ」
「ふーん」
「興味ない感じ?」
「俺は魔王だからな。
紫外線程度ではお肌は荒れない」
二色がなんとも言えない表情で二代目を見る。
「なんだ?」
「ずるい」
二色がそういうと撫子もいう。
「ずるい」
「え?なにがだ?」
「ずるい」
「ずるくない」
二代目がそういうとふたりは歌い出す。
「カテキンを飲もう♪カテキンを作ろう♪」
「おい待て……」
そして、二代目は通りすがりのおねこを見つけて捕まえる。
「にゃ?」
「さぁ、おねこも歌え」
「にゃにゃ?」
「魔王は無敵!魔王は無敵!飛べ―飛べ飛べ魔王!」
静かになる3人。
「カテキンを飲もう♪カテキンを作ろう♪」
撫子と二色が歌う。
おねこもリズムに合わせて身体を揺らす。
「あ、おねこが裏切った」
二代目は少しだけ泣きたくなった。
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