1.日常のウタカタ

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・歴史 私は歩く。 一歩先はまっくらで 何も見えないけど 私は歩くしかない。 歩いてるのは私だけじゃない。 老人も、子供も、大人も みんな歩いている。 道の幅はよく分からないけれど 手すりもないから、落ちる人もいる。 ほら、今も落ちていった。 ここはとてもとても高い場所にあるみたい。 前の老人が倒れた。 私はどうすることも出来ない。 歩くことしか出来ないから。 私はその人を踏みしめる。 積み重なった人は、いつか私の糧になる。 道は果てしなく続く。 いつかこの積み重なった人がなくなる日は来るのだろうか。 いつかここで倒れる人がいなくなったら… いなくなったらきっと、人類の歴史はそこでストップすると思うんだ。
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