「父」の言霊

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「父」の言霊

 僕は年に一度だけ、南海電車に乗る。  1月2日、南海高野線の中百舌鳥駅から3駅目の萩原天神駅。駅名にもなっている萩原天神にお参りするためだ。古い御守りを返し、新しい御守りを授けてもらう。「父」と一緒に。  それはこの20年間、10歳の頃から続いている習慣だった。
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