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それに対して園宮くんは、「なるほど」と返した。
「弓道部でも、息抜きみたいになってる。みんな、ちょっと笑顔が出て」
「えっ、それって、集中するのを妨害してるんじゃ……」
「大丈夫。それより、肩の力とか緊張をいい意味で取ってくれる。それより、そんなんで集中を阻害されるくらいなら、鍛錬が足りない」
「ふふ。そうなんだ」
園宮くんは冗談のつもりはないみたいでクスリとも笑わないけれど、私はなんだかおかしくなって噴き出してしまった。
テスト前ということもあって、いつの間にか教室には私たちだけになっている。
雨の音がシトシトとわずかに響いて、外は薄暗く、教室の照明もついている非日常。
こんなちょっとした特別な感じに、私の心は浮足立ってしまう。
「来週は中間考査だね」
園宮くんに言われて、「うん。頑張ろうね」と微笑んだ。
彼も見間違いかと思うほどわずかに微笑み返して、教室を出ていった。
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