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「あ……」   ちょうど中庭側の窓を開けた時、弓道場が見えて、その中に園宮くんの姿も見つけた。 いつもはジャージにTシャツなのに、今日はちゃんと袴をはいている。 他校生らしき生徒がちらほらいるのを見ると、おそらく練習試合かなにかで呼んだのだろう。 少し緊張感のある空気が見てとれた。   袴だと、園宮くんの身長の高さと姿勢のよさと所作の丁寧さが一層際立って見える。 周りの部員や他校生たちが多少色めき立っているのも、しかたないと思えるほどのかっこよさだ。 「覗きー」   ふいに鼓膜に流し込まれた声に、私は声も出せずに耳を押さえて振り返る。 すると額に衝撃と痛みが走り、「ってぇー……」という声も同時に聞こえた。
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