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「手応えありだね。ウサギが教えてくれた数学の類題、まんま出題されてたし」 「だから、ウサギって言わないでって」   相良くんは、めんどくせーよ、と呆れた笑い方をした。 「笠間ちゃん交えても話をしたんだし、普通に仲良くすればいいじゃん」 「いろいろとあるのよ」 「いろいろねぇ……」   顎をさすって、遠くを見る相良くん。 秋の風がそよそよと彼の柔らかい髪を揺らしている。 私はぼんやりと、この前の雨の日、彼の頭を撫でたことを思い出した。 こうして音楽室以外で立って並んでいると、そんなことができたなんて嘘みたいだ。 どこかよそよそしい気持ちで、緊張すら感じてしまう。
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