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「里ー穂ちゃん」
すると、職員室へと向かって歩き出した私たちの背中に声を投げてくる相良くん。
振り向くと、「じゃーね」と、渡り廊下の奥の青空をバックに、手を振って微笑んでいる。
「……うん。じゃあね」
返さないわけにはいかずに、そう言って小さく手を上げる私。
園宮くんがいるのに、となんだか妙な胸のざわつきを感じながら、私は顔を戻して歩くペースも上げる。
「なんか意外」
「なにが?」
「あの男子、三組に入ってきた転校生だよね? 宇崎さんとは接点なさそうだと思って」
渡り廊下を抜けて、職員室へ続く廊下へと角を曲がると、園宮くんが案の定聞いてきた。
私は、「あぁ……」と言って、愛想笑いをする。
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