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「あーーーーっ!」   と思いきや、突然映画館の照明が煌々と照らされたかのように、大きな黄色い声が響いた。 咄嗟に体を離した私と相良くんは、声の発生元を振り返る。 「やっぱりじゃん! やっぱりデキてるんじゃん、理穂ちゃん。ほらぁー、ずるい、教えてって言ったのに」   入口で私たちにまっすぐ人差し指を向けているのは、美月だった。 「しかも、この穴場の部屋ふたりじめだし! せっかく私も園宮くんを見に来たのに、ずるいーー」   わかりやすく頬を膨らませる美月に、私は頭を押さえる。 「ごめん、美月。明日報告しようと思ってて」 「笠間ちゃん」   そこで立ち上がったのは相良くん。 美月のところまで行って、 「園宮にヤキモチ焼かせたいってことで協力したじゃん。ここはひとつ、邪魔はなしでお願いね」 と小声で言った。
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