本になりたかったおじさんのはなし

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漠然と死後の世界は信じている。 だから自殺はしない。 だけど、緩慢な自然の摂理にしたがった死が訪れることは期待している。 もし、ここで余命3ヶ月の宣告を受けたら喜んでそのことを受け入れる。 この世、この社会、自分の人生に対しての希望は全く失っていた、 薄給、ブラック企業、意味も罵られ否定される毎日、 僅かな期間、結婚生活も送ったことがある、 だけど、嫁は私を罵るだけ罵って出て行った、 友達もいない、 運動神経無し、内向的、肥満系、髪は薄い 僕は僕なりに一生懸命やってると思っている、 それでも、罵られるだけの毎日、 傷つかない唯一の方法は、何ものに対して決して期待しないことだった、 そして、全てのしがらみから解き放してくれる、 自然の摂理にしたがった緩慢な死が訪れることだった。
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