0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
★
人間とは「嫉妬」をする生き物である。
誰の言葉なのかは知らないが、言い得て妙だと思う。
現に私は絶賛嫉妬中だった。
事を思い返せば、始まりは街中を歩く彼に一目惚れした三か月前にさかのぼる。
どの辺りに惹かれたのかを言葉で表すのは難しいが、それはもうビビッと来たからとしか言いようがない。
昂る感情のままにその場ですぐに「付き合ってください!」とストレートに告げた。
--結果は見事に玉砕だった。
突然の出来事に戸惑った彼に深々とごめんなさいされて終了。
とはいえ私の中に燃えたぎった恋心がそれで消えるわけもなく、むしろ火種は強くなる。
放課後に彼の通う学校の前で待ち伏せ、時には登校時にも待ち伏せて告白の繰り返し。
一歩間違えればどころか、もはや完全なストーカーである。
それでも不器用な性格なので、こういう方法しかできなかったのだから仕方ない。
それに結果として熱意は伝わったのだからいいではないか。
告白が10回目を数えた辺りでようやく、彼の方も私が真剣だという事に気づいてくれたらしい。
からかったりしているわけでなく、本気で自分の事が好きだと。
最初のコメントを投稿しよう!