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せるようにもなった。我ながらとてもよく頑張ったと褒めてやりたいところだ。
しばらく歩いていると、きらめく大阪湾の海とその側を走る南海電車が遠目に見えた。
僕はこの海と南海電車を一緒に眺めるのが結構好きだ。海面に反射する空の青色に南海電車のライトグレーと青やオレンジのラインとのコントラストが、ずっと眺めていてまったく飽きさせない。最近はシルバーに青とオレンジのラインの車両が多くなってきたが、それはそれでまた違った雰囲気があっていいと思う。
だが、今日はその風景を目にした瞬間、なぜか電車に乗って浜辺に行きたい気分になった。
「眺めているのもいいけど、たまにはちょっと遠出の散歩もいいよね」
そう呟く間に、僕の足先はすでに駅の方へと向いていた。あまり車の通らない坂道をのんびりと進んでいく。「南海樽井駅」と書かれた看板の下を潜り、自動券売機でりんくうタウン駅までのきっぷを購入する。
東京ではICカードが主流になっていて、こんな風にきっぷを買う人は以外ほとんどいない。だから、こっちに来て初めて電車を利用した時にきっぷや磁気定期券で改札を通る人が多いことに気づいた時は、それはとても驚いたものだ。あと
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