後悔はしたくない

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 他人をあてにしてはいけないと思った私はまず始めに私兵を抱えることにした。私はこの街にある情操教育機関に通っていたのでそこの生徒を勧誘することにしたのだ。自分でいうのも何なのだが、これでも「千年に一度地上に舞い降りた天使」と言われる位の容姿をしていた。その美貌を遺憾なく利用してこの街の窮状を最上級生のお姉様方に訴えたのだ。なぜ上級生なのかというと、年齢が上というだけで小さな子供達には絶大な説得力になるからだ。上級生も初めは可愛らしい天使ちゃんが父親の真似事をして聞きかじった政の話をしている位にしか受け取らなかったけれど、年長者とはいえ世間知らずな子供だったので次第に私の声に耳を傾ける者も出てきた。私は賛同者を数年掛かりで私色に染め上げたのだ。もちろん私に反発する人達もいた。その人達からはアジだのMCアレックスだのと言われて嫌われたものだ。オーイェーチェケラ。  そうして出来た私の忠実な部下達は私の想像を絶する働き振りをしてくれた。元々情操教育で魔術の心得はあった人達だったのだけれど、彼女達は自分達が非力な女だと言うこともよく理解していた。加えて彼女達は情操教育の過程で培った女性らしい立ち振る舞いもある。そんな彼女達が私の為に遺憾なくその実力を発揮できる場所があった。そう、社交界である。彼女達は非常に有能で私の知らないところでオークやゴブリンみたいな貴族相手に嬌声を上げて着実に人脈を作っていった。もちろんこっちに取り入ったり上手い事騙して小娘達から搾取して良い思いだけしようなんて連中もいたけれど、そういう人達は謎の不審死で社交界と人生からドロップアウトしていった。恐ろしいね。     
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