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砂場から少し離れた所にビニールシートを引き、ちょこんと座る少女の前には色々な物が並んでいる。
何事かと近付くと「いらっしゃい」と少女が微笑まれ、『お店やさんごっこ』をしているのかと理解した。
一見ガラクタを並べただけのように見える品物から綺麗な色のビー玉を拾い上げ「いくら?」と問いかける。
「10円です」
「じゃあ、はい」
小銭を手渡す。
尤もそれは葉っぱで変えたお金なのだが。
「ありがとうございました。また来てくださいね。お兄さん」
「お兄さん」と呼ばれたことで、自分の変身に自信を持った俺は時々この公園に訪れるようになった。
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