こじらせてる彼女と渡様。

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「流石だな~生徒会長様。今回も学年一位か。」 学期末試験、上位二十名の結果が張り出された。渡遥歩(わたり あゆむ)我が校の生徒会長様であり、入学式では新入生代表の挨拶もそつなくこなしていた。 何が腹ただしいって、彼はルックスにも恵まれている。バレンタインや誕生日には当然、彼の下駄箱と机はプレゼントで埋め尽くされる。 「みくりも今回も学年二位か。うちの生徒会は優秀だな。」 私、佐倉みくり(さくら みくり)はと言うと、常に二番手。高校入学してから、渡様に敵うことは一度もなく試験は二位を維持。生徒会も選挙の結果、副会長。 因みにルックスは…並と、思って貰おう。 男女別とは言え、体育祭のリレーもマラソン大会も、渡様は一位だった。なのに私は二位だった。 「嫌いだ。あんな奴。」 「あんな奴で悪かったな。」 友人、生徒会会計の矢田部清(やたべ しん)の横で舌打ちをすると、背後から渡様が現れた。 「何?何かご用?」 「今日の放課後、予算会議だからな。忘れるなよ。」 「忘れてないよ!」 予算会議で使う資料で頭を軽く叩かれる。
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