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め……るの……
めざ……ので……
……
……
……目覚めるのです。
何処からか声が聞こえてくる。
眩しい光に包まれ、私はゆっくりと瞼を開いた。
「お待たせしました、清水さん。私は……」
目を疑った。
ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光るタコが視界に入る。
「夢……」
「ああ、待って! 夢ではありません。私は神聖な祭りを司る神……あなたの功績を称えに来ました」
「神様?」
全く意味は分からないが、良い事を思い付いた。
「ちょっと待ってくれるか?」
事前に用意していた大きな袋へと神を入れ、可愛らしい特大のリボンで縛り付けて押入れにぶち込んだ。
「クリスマスプレゼントを買う手間が省けたな」
空を飛ぶタコ型ラジコン……子供たちは喜んでくれるだろうか? 子供たちの笑顔を思い浮かべながら、夢の世界へと戻って行った。
【完】
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