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「目覚めるのです」
また出た。二つ目のクリスマスプレゼントをゲットだ。
しかし、先ほど押入れにしまった袋は空になっていた。逃げ出したのか? それとも夢?
……どうやら夢ではなさそうだ。夢と現実の違いくらい分かる。
「もう起きてるさ。それで、功績って?」
「はい。清水さんは、幾つもの神聖な祭りで功績をあげられました」
「何かくれるのか? それとも願いを叶えてくれるとか?」
「あなたの心を覗かせて頂きますね……小説……ジャンル……高み?」
心臓が跳ね上がった。どうやら、深層意識を読み取ったらしい。最近の私は小説で様々なジャンルに挑戦している。感動ものやホラー、ギャグだって巧みに操り、少しずつ結果を残して来た。更なる高みも考え……
「なるほど、イラストですね」
「そこをピックアップするのか!?」
タコはタコ型タブレットを取り出し、何かを調べ始めた。
「既に十分過ぎる実力をお持ちのようですが……やはり、清水画伯にピッタリの筆ペンが欲しいですよね? 昨今は筆ペンも進化し、様々な筆ペンが……」
……
……
「どうしました?」
「筆ペンはいらないから、そのタコ型タブレットをくれ。子供たちが喜びそうだ。クリスマスプレゼントにするから」
「こっ、これは駄目です! 世界に一つだけの貴重なタブレットなのですよ? それに、このタブレットには貴重なデータが……おっと」
「データ? そう言えば最近、兎〇助の妖精コスプレ画像に、わた〇め姫と〇りす姫の白黒ねこコスプレ画像が流出したと耳に……」
「……」
「……」
壮絶なタブレットの取り合いが勃発した。
勢い余ってタブレットは宙を舞い、そのまま窓の外へ飛び出す。そして、偶然飛んで来たカラスが咥え、持ち去ってしまった。
タコはショボンとなる。
私もショボンとなった。
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